夢を釣る(吉原裏同心抄5)佐伯泰英

  前の巻で密かに吉原会所の四郎兵衛頭取から頼まれていた事柄が、彼の後をついで、八代目を就任してほしいと、いった内容であったことが、明らかになる。幹二郎は熟慮の末、それを受ける決心して、番方の仙右衛門を訪れ、彼の支持を得たところで、周りにも打ち明ける。 伊勢亀のご隠居の墓参りに、汀女は私は行かないので「幹二郎と麻」の二人で行くように勧め、なおかつ「麻になさけをかけておあげなさい」とまで、言ってしまう。巻末で(幹二郎の胸に麻の身体が寄せられた)というところで終わる。又、幹二郎が付き合う2人の同心、吉原の担当のダメ同心、村崎と出来物の桑平同心をそれぞれの窮地から救ってやる。時間の楽しみは、八代目となった後の幹二郎への周りの人たちとの関わりあいが、どう変わっていくのかが特に楽しみだ。

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