この本は2008年に一度読んだが、今新しい出版社から、新装で又シリーズ化され、新しい巻も追加されたので、最初から読みなおしです。 図書館の解説から、「北町奉行所の隠密廻り方同心、萬七蔵は、目的遂行のためには手段を選ばぬやり方から、「夜叉萬」と呼ばれ密かに恐れられていた。脂粉の香りを残し去ってゆく辻斬りの探索の過程で七蔵が見た卑劣な真実とは-。」 主人公の捜査を見ていると、正義感が強く、悪い奴には容赦なく、腕に物を言わす役人。この作者のもう一つの人気シリーズの、「風の市兵衛」の主人公は、その折り目正しさが、もどかしい時もあるが、夜叉萬はその容赦のなさが、返って痛快です。
本当に強いです
その戦いぶりを見た、夜鷹が、「あんたが夜叉萬だね。聞いてるよ。北町の極悪役人だって。けど強いねえ。惚れぼれするよ。いいさ、極悪役人でも、その腕っぷしでお千ちゃんたち三人の敵を取っておくれ。相手が町方だからって、容赦しちゃいけないよ。」こう感心してます。このセリフ、心に残ります。