(図書館の解説) 美濃北山三万石の主・百目鬼一郎太は、城下外れの賭場で命を狙われた。襲撃者の中に一郎太の年貢半減令に賛同してい者がいたことから、一郎太は藩主の座を降りることを即刻決意。弟に後事を託して単身、江戸に向かう
(読後感)
題名から好きな殺陣が多い作品とわかる。鈴木さんのは「こう思う、ああ感じる、」と心の中のセリフが多く、なんとなくほんわりとした感じを受けます。百目鬼は(どうきめ)という珍しい名前で、すぐ覚えますね。物語の設定は①お母さんが実母なのに一朗太を嫌って、次男をかわいがる。②一朗太には少し先の未来を予見できる能力があって、丁半博打でお金を稼げる、とまさに小説の世界のお話です。そして、藩を抜けて江戸に向かう途中に、美人の壺ふりや、裕福な青物商を助ける、というよくどの小説でも見かける仕掛けがあります。定番ですが、何となく面白そうな展開を予測できて、第2巻を読むのが楽しくなりますね。最後は国もとから、刺客が現れ、勝を得ますが、刺客の暴露で黒幕が実母と知り、衝撃を受けるところで次巻へ引き継がれます。