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縁の川(風の市兵衛㉔) 辻堂魁

表紙より

 市兵衛が事件解決を頼まれて大坂に戻ってくる。昔の淀川の景色、川幅の広さが江戸の大川より大きい、米取引の様子など、大阪育ちの私にも、そうだったのかと思うことが沢山出てくる。四ツ橋がかつては4つの橋があるのは知っていたが、それぞれの名前が出てきた。千日前が処刑場だったのは知っていたが、黒門がその墓所だったこと、新町がかなり大きい色町だったことなど、とても面白かった。何より良いなあと思ったのは、市兵衛が昔世話になった店の隠居の大阪弁、本当に今の言葉と違って上品だ。同心との掛け合いも参考になる。 ストーリーだが、探し当てた文一郎と小春が「敵討ちをしたい」と言ったことで、一気に終盤に入る。その敵が身内の裏切りであえなく死んでしまい、懐かしい人との別れもなく、少し物足らない終わり方に感じた。家を引っ越したためか、最近交わる人々が、かつての酒屋さんで集まる仲間から、地蔵文六親分逹との関りが多くなった。前に出てきた人たちとの様子が聞けないのはちょっと寂しい気もするが、新鮮さという面ではうまい運びかなとも思う。そういえば、朝ドラなどでも、主人公の転居に伴い、地元編や東京編などで、ガラリと出演人物が異なり、○○編になって、面白くなくなったとの話も聞くが、ちょうどそれに似た場面設定が小説などでも出来るんだなと発見した。佐伯泰英の小藤次のように、付き合いのある人が満遍なく登場するのも、気持ちが落ち着く気がするが、何故かマンネリだなあと感じる。こういった使い分けに注目して小説を読むのも面白い。市兵衛が41歳になり、独り身だ。前に破談になって、その後こういった話は出てこない。このシリーズの最初の方で出てきた、素敵な女性の方々を思い出し、どうなるのかなと思う。ああ、この女性と結ばれると良いなあと思うが、市兵衛にはその気はないようだ。いつも女性の市兵衛への思いを読者に感じさせない、結ばれないまま終わってしまう隠居が、裕福とは程遠い、市兵衛を見て、名利や金にこだわらないあんたらしい立派な生き方だ、とほめるが、生涯独り身であってもそれはそれでいい、と市兵衛なら思っているのかもしれない。こういった市兵衛の内面の気持ちや悩みがこの小説では一切出てこない。彼はクールな孤高の人だ。鈴木英治の口入屋用心棒シリーズに出てくる、富士太郎など独白のしまくりで、大きく異なるなあ。私が市兵衛シリーズで、ちょっと辛く感じるのは、一番最初に、殺人などの事件があって、その後に詳しく事情がわかってくる、というストーリー運びだ。いかにも理不尽な殺され方をするところが、何故か読むのがつらい。今回は殺人を犯した遊女の自殺のシーンから始まるが、それほど辛くなかったので、もう一度最初からじっくり読みなおしてみたいと思った。

idea200219

朝、ベッドで今日の予定を考える。あれをしよう、これをしようと色々とアイデアが浮かんでくる。今までは忘れないように浮かんだ考えをメモに控えて、順番にこなそうとしていた。しかし、中にはうまく行かない物があって、未処理のまま残ったりしていた。一点だけでいい、今日必ずやらないとダメな事は、ベッドの中の考えタイムに費やすよりもすぐやろう、と思い立った。これなら、メモに書かなくてもよいし、とりあえず片付く。その他の事は又頭の中に降ってくるのだから、と思うようにした。

【始発物語】東急田園都市線の中央林間駅

 始発は5:04→早い 盲人の方用の黄色いプレートを拭く人や、前夜からスタンバイの車両が写る。地道、仕事の緊張、仕事への愛情などを感じる。改札を開くのを何人もの人が待っている。4:45位にすでにホームで列車のドアが開くのを待っている。私も早朝勤務の経験があるが、5時と5時半のこの30分で随分辛さが違ったのを覚えている。スポーツジムの購買担当、スーパー、介護施設の食事を作る人、警備員、設計等、職種を聞くと様々。やはり1番の理由はラッシュをさけるのが多い。都心までは2時間近くかかる(乗り換え案内では押上まで1時間24分)ようだ。この生活を何年も続けている人もいる。運転士ももちろん遅れず来る。乗る人も乗せる人も皆真面目だ。帰って家族との団らんや散歩が楽しみ等、本当に地道な生活をしている人が多いと感心する。話している感じもいい。割とむくつけき警備員の人がのんびりとテレビのアニメを見るのが好きと言うのを聞いて、少し笑ってしまった。

掃除

熱心に掃除をしている人に鬼一(鈴木英治著―突きの鬼一の主人公)が「熱心に掃除をしているな」と声を掛けると、「掃除をするときれいになって気持ちがよくなるので大好きです」と答える。私もこの人と同じ経験があるがあるので、言っていることはわかるが、大好き、とまではいかない。でも、この小説の中の奉公人を見習って、気になるところを片づけると、本当にすっきりとして気持ちがいい。こんな言葉に反応するようになったんだなあ、と変なところで感心している。

サダの事件簿 菊池貞幸

 実際に北海道で警察官をしていた人の話。私の品性と比べて、この人の品性は本当に尊敬に値すると思う。特に第3話の家出娘(不良少女の更生の話)には感心した。ちゃんと叱ることだ大切だがその叱り方が刑事の仕事からの経験が聞けて参考になる。養護教諭から、教え子の女子生徒がチンピラの家に入り浸りになっている、連れ戻して欲しい、との依頼を受ける。早速出かけて、居留守を使うチンピラの家の前で、「16歳の女の子と遊ぶと合意があっても条例違反になる」と脅しをかける。娘は自宅に戻るが、「なぜ警察に行ったのか」と逆ギレしているので、娘を叱ってほしい、と電話が入る。茶髪の娘はサダさんを見て出ていこうとして止めても無視する。ここでサダさんは、「こういう娘は優しい言葉だけじゃダメだ」と判断して、「サカリのついたドラ猫じゃあるまいし、学校をさぼって男あさりをしているのか」娘は目を皿にして怒り、「なに、言ってんのさ」私は娘の襟首をつかみ、軽く足払いを掛け、床に叩きつけてやった。娘はそのまま泣き伏す。これはまずかったのかなと思うが、父親に矛先を向け、「やいやい親父さんよ。こんなになるまで良く放っておいたな。バカ親父さんよ。あんたがバカ娘を甘やかして育てるから、このざまよ」と、娘の前で思い切り罵倒した。娘がそのとき、泣き顔を私に向け、「お父さんは悪くない」、仕事は終わったな、と私は思った。→私にはとてもできなかったが、この一連の呼吸ってとても凄いと思います。この後、娘は更生し、チンピラも事件を起こさなくなる。どういう相手であっても気にかけて連絡を取り続けていれば、事件が事件にならずにすむ、という彼の哲学を聞かされる。 又第4話の自転車泥棒も青少年の歩道の話だ。自転車のかっぱらいの少年とのやり取りが面白い。目を付けた男子生徒の横にさりげなく近づき会話を聞く。「チャリ、かっぱらっていくか。」「おう、これ、鍵ついていないぞラッキー」これを聞いた後、少年たちに近づく尋問する。警察だと知り青ざめて、「借りるつもりだったんです」「何をふざけたことを言ってやがるんだ。お前たちの会話を聞いていたら、チャリ、かっぱらうと言っていたじゃないか」「本当に借りるだけで後で返しに来るつもりだったんです」と更に言い逃れようとする。→ここで負けずに「寝ぼけたこと言ってんじゃねえよ。中略 そんな屁理屈通用すると思ってんのか。おい、こら。」一括すると。高校生らはとたんにシュンとして、「僕たちが間違ってました」と深々と頭を下げた。謝られると弱いサダさんはそのまま説教をして放免する。そのすぐ後に、常習の不良少年を捕まえるが、盗まれた自転車の持ち主の主婦に、自分で稼いだ金で、弁償するように進める。実際に彼はダムでアルバイトをして、返金し、更生していく。 第9話 一人の韓国人の生涯 この話は北海道に住み着くことになった、韓国人の話だが、彼は韓国で農家の長男として生まれたが、日本の官憲に無理やりに樺太の炭鉱に連れていかれる。ソ連軍の侵攻から逃れる途中、彼は日本軍に焼き殺されかけるが逃れて、ソ連軍につかまり、日本人女性と結婚し、韓国への引き上げができず、やむなく妻の実家の北海道にやってくる。その後の彼の苦労話が続くが、やはり日本は韓国にひどい事をしていたのだなあ、という事実を知り、今の日韓の事件を聞くたびに少し違う印象を持つようになった。

夢を釣る(吉原裏同心抄5)佐伯泰英

  前の巻で密かに吉原会所の四郎兵衛頭取から頼まれていた事柄が、彼の後をついで、八代目を就任してほしいと、いった内容であったことが、明らかになる。幹二郎は熟慮の末、それを受ける決心して、番方の仙右衛門を訪れ、彼の支持を得たところで、周りにも打ち明ける。 伊勢亀のご隠居の墓参りに、汀女は私は行かないので「幹二郎と麻」の二人で行くように勧め、なおかつ「麻になさけをかけておあげなさい」とまで、言ってしまう。巻末で(幹二郎の胸に麻の身体が寄せられた)というところで終わる。又、幹二郎が付き合う2人の同心、吉原の担当のダメ同心、村崎と出来物の桑平同心をそれぞれの窮地から救ってやる。時間の楽しみは、八代目となった後の幹二郎への周りの人たちとの関わりあいが、どう変わっていくのかが特に楽しみだ。

生きていればこそ

今日から朝の見舞いはカットして、昼と晩にした。起きてから昼までの時間で色々と用意ができる。12時の出発を前に、又色々と言われると思うと気が重い。でも植物人間になっていれば、顔は見れても全く話ができない。そう考えれば、やはり起きて生きてくれているのはありがたい事なんだろう。そう思うことにした。

母の転倒で生活の組み換え

2019年12月26日 8時前母がトイレを出たところで転倒

 救急車で搬送され、どこも骨折はしていないと言われ帰ってきたが、その日ベッドから起き上がることも出来ず、見舞いに来たケアマネジャーさんの手配で、入院の運びとなる。再度調べてもらうと、胸椎の圧迫骨折が2か所あるのが判明した。痛みのせいか食事をとらなくなり、何か本人が食べれそうなものを持ってきてくれとの事。衰弱死しては大変なので、昼食と夕食には必ず何か持って食事介護に行っている。1/4の夕食あたりから、食欲が出始め、1/5には水分補給の点滴もはずれ一安心だ。
 だが、次に気になるのは、コルセットとリハビリをちゃんとするか、1月半ばには退院をしてほしいと言われているので、その後どうするかだ。どの程度まで回復するのか不明なので、ちゃんとした方針が出ない。
 一日2回、何かしらの物をもって病院に行って1時間半過ごして帰宅すると、洗濯や買い物などの家事に追われて、本当に何もすすまない。
 確定申告等の大事な用事が控えているのに、全く進んでいない。もう一度生活を組み直さなければいけない。
 ●最も中心に行うもの 整理
 ●それに伴い 読書量を減らす 家族や友人との付き合いを減らす テレビもラジオも見たり聞い たりする回数を減らす
 ●保険の申請等 一つ一つ片づける

新酔いどれ小藤次「夢三夜」(佐伯泰英)

 今回は小藤次の妻の「おりょう」の家族と付き合いを深めるところが中心の感じで、そのほかはいつものメンバーとの交流のホームドラマの1シーンのような感じだ。駿太郎は12歳になり、剣の腕も更に上がり、又スリを捕まえる。その褒美に小藤次家族が南町奉行から直接褒美をもらう。お夕ちゃんも飾り職人としての腕を上げる。旧森藩の池端用人は人間的に益々成長し、小藤次とのつなぎ役となり、旧森藩との親交も順調に深まる。久慈屋の主、昌右衛門の伊勢参りに同行することが決まり、次回の下準備もできたというところ。今回、おりょうの兄が初めて登場する。靖之丞と言う兄は、おりょうと昔から仲が悪く、自分の不心得から養子先を離縁されたのを、小藤次達に恨みを向ける。最後は父の北村舜藍自ら、小さ刀で刺し殺すこととなる。この一連の下りは、今回何もなかった剣げきシーンを入れる必要があったのかもしれないが、ちょっと無理があるような気もする。久慈あかり行灯を作る際に知恵を借りた、吉原の太夫の名前が、菅琴という名前で、目下吉原で一二を争う花魁になったとの紹介があり、もう彼女が出てきたのは随分まえだったなあと思いだした。ひょっとして、再登場あり?

USBの挿入場所の変更

pcに挿していたUSBを左側から右側に移す。今の文具類の配置から、右側に移す方が邪魔にならないなあと思っていたが、右に移すと、ノート類を置くスペースができて、やはり快適だ。こんな些細な事でも、工夫と実行で快適感を得られる。このことは何にも当てはまるので、心がけようと思う。